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名古屋産業科学研究所に研究部が創設され２年を経過しました。研究部は研究所の研究機能を強化充実させることを目的として、従前の研究所本山分室を拡充改組して設立されました。研究部は、中部ハイテクセンター、中部ＴＬＯとともに当財団の３つの部門の一つとして活動を展開しております。

　産業科学研究所は、中部地区の各大学でご活躍の先生方が産業界からの委託を受けて行われる共同研究の実施を事業の柱として参りましたが、新しく設立された研究部では、各大学あるいは企業で研究開発に携わってこられた名誉教授・企業ＯＢの方々にも、その経験と実績を基に、産学官連携事業でご活躍頂くことができるようになりました。

　世界経済は、米国のサブプライム問題に端を発した世界的な危機から脱却し、再び成長の兆しが見えてきたと云われております。それは、中国などアジア諸国の急速な発展にあるといわれておりますが、その発展の源泉は、環境をテーマとした新しいコンセプトに基づく「ものづくり」にあることは云うを待ちません。新しい時代を拓くものづくりの創出には、学術と技術の調和が必要であり、産業界と学界との協働・協奏が今まで以上に強く求められることでしょう。

　このような状況の下、２年目となりました研究部では、名誉教授あるいは企業ＯＢの方々が、上席研究員として、その豊富な経験を生かし、文部科学省科学研究費補助金、あるいは経済産業省、ＮＥＤＯなどの国機関の支援を受けて、環境ものづくりに係る産学官連携研究開発プロジェクト等を実施してまいりました。本報告書は、そのような活動を年次報告として取り纏めたものです。ご高覧いただきご意見を頂ければ幸甚に存じます。本研究部の活動に皆様のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。